コラムcolumn
こんにちは、京都市左京区にあります、出町柳みちこ相談室の公認心理師・臨床発達心理士の山口道子です。
毎年10月はディスレクシア月間で、私はこのタイミングで様々な啓発的な活動に取り組んできました。
前職のLD等通級指導教室担当教諭としてもそうでした。
啓発によって広く理解していただくことにより、ディスレクシアの方が少しでも「生きやすい」状況をと言う願いを込めてです。
私だけでなく、関連職種、行政各種親の団体、研究者など、様々な発信や取り組みがなされています。
もうこれを何年続けているかな?当事者やそのご家族の困難さは法律ができても、まだまだ解消されていないな。
最近そんなふうに思うことが増えました。
例えば、私が学生時代から専門的に取り組んでいるASDの方の理解については、研究の成果と普及・実践によって、ある時期を境に、どんどん理解が進みました。
特に横浜から関東圏に、そして研究機関から関西圏へといった広がりを実感しました。
漫画アニメーション・テレビドラマなども複数。
それらが一般の方たちの会話にあがったりし、当事者やそのご家族のお話を聞ける場も多数ありました。
困っていらっしゃるご様子を具体的に理解することで、合理的配慮という言葉を意識しなくても、何らかの気遣いを考えできることをと言う流れになってきたのではないでしょうか?
例えば外に出ている時に同じところを行ったり来たりして、ちょっと混乱して独り言のようなことを言っていらっしゃるな。 たぶんASDの方だな。
その時にはできることは?こうしたら良いなと心がけられるようになったのではないでしょうか?
どんどん研究が進み、ASDの学会が発足。
私も早期に加入して、長年研究実践を積んだ専門機関の医師・研究機関から沢山学ばせていただいています。
自閉スペクトラム支援士の資格を取得し、京都にも支部ができて、実践研究が深まりました。
親の会の方たちとの研修もあります。
一方で、ディスレクシアやLDの方についてはどうでしょう?
明らかに読み書きの困難さを私達が感じる機会はそんなにないのではないでしょうか?
デスレクシアLDだけではなく、ASDやADHDと併存されている方が多数いらっしゃいます。
その場合には、ASDやADHDの特性の方が顕著なため、ディスレクシアの困り事と言うのが、私たちに具体的にわかる場面が少ないように考えています。
特に知的な遅れがない方の場合、社会生活上の困難さは極めてわかりにくく、ご本人でさえ長年気づかなかったと言うケースがたくさんあります。
読み書きの困難さが顕著に現れるのが、小学校入学以降です。
学校では読み書きを基本に学習や生活がどんどん繰り広げられるようになっていきます。
学習場面で読み書きが始まると、ひらがなからカタカナそして漢字と学習進度も速くなっていきます。
すでに習ったものはできていることとして新しいことが加わっていきます。
一年生後半以降は著しい困難さが見られるようになります。
幼児期には、全く大丈夫だったのに、コミュニケーションもできていたのに。
急にこのようなことが現れて周りも、なぜなのか?
小学校に入ってからこのようになったのだから、
教え方が悪いのか?周りの関わり方が悪いのか?家庭でのフォローができていないのか?と、
状況が大変になっていくこともあります。
合理的配慮についての相談まで至らず、
連携や話し合いがうまくいかないままのケースもあります。
しかし、ディスレクシアやLDの事について理解のある方がいらっしゃる場合には、その可能性があると言う事までは何とか認知されていると言うのが現状ではないでしょうか?
例えば医療機関、学校であれば、専門教育を受け実践している通級指導教室担当教諭。特別支援学級教諭。
その他にもいらっしゃると思います。
ところが、連携の機関が少ないと、支援についての実践が困難な大変難しい状況が長く続いているように私自身は感じています。
学習の困難さがどんどん加速すると、学習場面でわからないことできないことが増えてしまい、心理的にもとても辛い状況になっていきます。
学校に行っても面白くない授業中が特に面白くない。
努力してもできない自分。
自己肯定感がどんどん下がっていくこともたくさん見受けられます。
「なんでできないの」「もっと頑張りなさい」「頑張って練習したらできるはず」何気ない言葉に深く傷つけられたりするものです。
その結果、学校に行くのを嫌がるケースは皆さんもご存知の通りです。
読み書きが困難であれば、皆と同じやり方ではなく、違うやり方やICTを始めとする支援グッズを活用すると言う方法もあります。 自分だけそれを使う事は特別であり、周りが特別なことをしていると思われるものが嫌であると言うことがよく見受けられます。
この心のハードルをどのようにしていくかと言うのは、前職の通級時代にしっかりと学び実践してきました。
私はもう学校にいません。
学校で直接指導することはできません。
でも私にできる事はあります。
それらの実践を述べ伝えることです。
継承することです。
丁寧に伝えていくことです。
その方の個別性と周りの環境とによって、アプローチの仕方や取り組み方が少しずつ変わってきますので、個別性のある、丁寧な対応が大切です。
話は変わりますが、
ICT機器を中心に支援方法がどんどん開発されています。
以前なら高額で導入が難しかった様々なアプリケーションなどが、無料で提供されたりしています。
例えば音声読み上げ機能と視覚支援を組み合わせたアプリなどです。
また以前なら、様々な許可申請が必要だった音声読み上げ機能のついたアプリなどの許可申請等について変更があります。
導入活用には、一人一人に合った、カスタマイズが必要ですが、それらが整えば、タブレット機器を使っての無料支援グッズになっていきます。
これらは営利が目的ではなく、困りの改善に協力したいと言う開発者や研究機関の熱い思いではないかと思います。
私と同じように思っていらっしゃるのだと、とても嬉しくなります。
可能な専門相談支援を組み合わせて、これからも努力していこうと励まされます。
各種親の会の関係者の方に、様々な情報をいただいていますことにも、深く感謝しています。
これからも一緒に頑張っていけるようにと決意をあらたにする10月です。
研究機関、親の会の方も積極的に熱心に、一緒に研修や体験をできるように発信されています。
是非探してください。
どんなものが無料でできるのか? 体験してみたい・知ってみたい。
と言う方は、ぜひ相談室にご連絡ください。
特に今困っていらっしゃる方は遠慮なく無料面談枠をご利用いただきたく思います。
時々支援グッズの紹介等と言う取り込みをしています。個別の相談支援の際にご質問等ある時には、お試しいただいています。 毎月のワークショップの中でリクエストがあれば支援グッズを紹介することも。
直接的な相談支援を今希望されていない場合でも、どうかまたこのHPやコラム、SNSなどを覗いていただければ幸いです。
皆様の心が少しでも「ほっと」できるように、私もじっくり、しっかり、これからも頑張りたいと思います。
〜ディスレクシア月間2026〜